アナキズムが最近好きという話
アナキズム超入門(多分)
アナキズムって知ってますか。なんか小難しい政治思想?恐ろしげなカルト?サブカルなファッションアイテム?まあそういう側面もあるんですが、最近、アナキズム好きなんです。アナーキーインザJP。アナキズムなんて死んだ思想と思いきや、そうでもないんです。無政府主義とか訳されたりして、国家転覆!みたいなヤバいカルトみたいですが、シンプルに「偉そうなやつむかつく」「嫌なものは嫌と言おう」「何で我慢してんのみんな」とかシンプルに痛快だしカッコ良かったりします。現実的かはおいといてw
半ば本気で、左翼はアナキズムからやり直すべきなのではなかろうかとか思ったりする。共産主義とかリベラルとかじゃなくて。反知性全開のパンクなアナキスト。労働クソくらえ新自由主義滅びろ。みたいな。その視点から見たら保守が逆にインテリに見えるはずで魅力的になるんじゃないかなと思うぐらい。
世の中、アナキズムを見直したほうがいい。右翼、保守も嫌いじゃないけど、それだけだと偏りある。
まあ、左翼の凋落が、あまりにも「ちゃんとしている」ことに起因してるのはいうまでもない。ちゃんと勉強している。ちゃんと正しい。ちゃんと差別に反対して、ちゃんと制度を考えて、ちゃんと弱者に寄り添って、ちゃんと専門家の話を聞いて、ちゃんと選挙に行こうと言う。
もちろん全部大事だ。大事なんだけど、なんか、つまらない。というのがまあ空気感でしょう。いい悪いは置いといて。つまらないというか、だるい。だるいというか、学校っぽい。会社のコンプライアンス研修っぽい。
世の中、朝起きた瞬間から資本主義に轢かれているわけですよ。アラームで起こされて、眠い身体を引きずって、満員電車に乗って、労働に差し出されて、メールを返して、Slackを見て、会議に出て、なんか意味のあるふりをした資料を作って、帰ってきたらもう夜で、飯を食ってスマホを見て寝る。次の日も同じ。この生活に対して必要なのは、正しい政策提言だけではなくて、もっと単純な呪詛なわけです。
ふざけんな。労働めんどくさい。上司も市場も国家も家族も学校も、偉そうにすんな。その「ふざけんな」から始まる左翼が、たぶんいま必要なんじゃないんですかねー。共産主義とかリベラルとかじゃなくて。
共産主義は、どうしても組織の匂いがする。リベラルは、どうしても管理の匂いがする。多様性、包摂、制度設計、専門知、合意形成。これも大事だ。大事なんだけど、下手をすると「よい管理者による、よい社会」になってしまう。
でも、こっちが欲しいのは「よい管理」か?まあ、今の若者は、管理されたくない、とまでは思ってない。ちょうどよい管理ぐらいは欲しがってる。
ただ、それはさすがに管理なしはやばいなりたたないと、諦めてるから。ノー管理でいけんじゃね、ってのがあるなら、それにこしたことはないってなるんじゃないかなあ。
アナキズムのよさは、ノー管理を雑に、でも根本から言えるところにあるんですよ。
「お前、なんで偉そうなの?」
これだけでいい。社長に対しても、政治家に対しても、教授に対しても、親に対しても、活動家に対しても、インフルエンサーに対しても、国家に対しても、市場に対しても、文化に対しても、伝統に対しても、言っていい。
「お前、なんで偉そうなの?」
この問いの威力を、左翼はもっと使えばいいと思う。もともと、こんな感じだったはずなんですよ左翼。ところがいつの間にか、左翼の側が偉そうになってしまった。正しさを背負い、倫理を背負い、歴史を背負い、弱者を背負い、未来を背負い、そして人々を啓蒙しようとする側になってしまった。
それはしんどい。人間はそんなに立派じゃない。もっと怠けたいし、もっと怒りたいし、もっと笑いたいし、もっと最低でいたい。
ずっと正しい市民でいるなんて無理だ。だからこそ、パンクなアナキズムなのだと思う。
政治を、もう一回、行儀の悪いものに戻す。思想を、もう一回、路上のものに戻す。
「労働者の権利」ではなく、「働きたくねえ」。「所得再分配」ではなく、「金持ちだけがぬくぬくしてんじゃねえ」。そういう言葉のほうが、わかりやすいよね。こーゆー感じなんですよアナキズム。
反知性主義、でいいんじゃないですか?保守がそうなら、左翼も対応するセクションがあっていいだろう。
もちろん、反知性だけに拘る必要もない。知識を捨てろ、ではない。
知識を偉いやつらの持ち物にするな、だ。図書館に行け。ZINEを作れ。勝手に勉強会を開け。コピーして配れ。わからない言葉をわからないままにするな。でも、わかっているふりをして人を見下すやつには石を投げろ。そういう知性。野蛮で、雑で、でも自由になるための知性。
その地点から見ると、保守が急にインテリに見えてくる。
保守は「人間はそんなに理性的ではない」と言う。「伝統には意味がある」と言う。「社会は設計図どおりにはいかない」と言う。「共同体を壊すな」と言う。
なるほど。急に賢そうに見える。偉そうに!!!!
リベラルが「正しい社会を設計しましょう」と言っている横で、保守が「人間はもっと愚かで、歴史はもっと複雑で、共同体はもっと脆い」と言う。
伝統?で、その伝統で黙らされてきたのは誰?共同体?で、そこから逃げる自由はあるの?家族?で、それは愛なの、支配なの?国家?で、その大義名分のもと死ぬのは誰?
アナキストは左翼的な「革命後の社会」ではなく、今日の夜、どこかの部屋で、誰かが誰かに飯を出すこと。「理想国家」ではなく、家賃が払えない友人のために金を集めること。「歴史の必然」ではなく、明日仕事を休むために嘘の体調不良メールを書くこと。そういう小さくてしょうもない反乱をしようというひとたち。
たぶん左翼は、もう一回ダサくなったほうがいい。清潔で、正しくて、賢くて、感じのいい人たちの集まりであることをやめたほうがいい。
労働が嫌いで、朝が嫌いで、家賃が怖くて、将来がわからなくて、でも誰かが寒そうにしていたら毛布を渡す。そういう人間の政治でいい。大衆的な政治のカテゴリーはそんなんでいい。
いまの保守も大勢はそんなかんじで、悪くはない。左翼も対応するセクションがあればいいと思ってる。そんなわけでアナキズムおすすめです。
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